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2016年9月15日木曜日

若者の将来不安の次は、「職業格差」や「希望格差」である。
ある飲食チェーンの店員が付けている名札の名前の下に「将来の夢」が書いているが、その大半が「事務員」だったという。
時給1000円程度で一生懸命働いている20歳前後の若者の夢が、非正規でもいいからブルーカラーではなく、ホワイトカラーになりたい、というのである。
つつましい「事務員になる」という夢さえ、叶うかどうか分からないのが、今の日本の現実なのである。
2016年の大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したのは堀川恵子氏の『原爆供養塔』だったが、彼女が作品を書く動機は「怒り」だという。
他の候補作である清武英利氏の『切り捨てSONY』も追い出し部屋の実態を取材した怒りがテーマの作品であり、小野一光氏の『殺人犯との対話』はダークサイドの怒りであり、候補作全てが怒りをベースに書かれていたのは間違いない。
怒りの対象が明確でないがゆえの怒りの原因探し、不健全な社会現象で「ダークサイド」のマグマが溜まっている。

原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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