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2014年12月14日日曜日

財務省が強力な力は、「予算」については戦前から大蔵省時代に持っていたが、「人事」については、戦後に内務省がGHQに解体されてから手にした。
1945年から1952年にかけて日本の占領政策を担当したGHQは、公務員制度の抜本的改革にも着手し、「職階制」を導入しようとした。
職階制とは、各公務員の仕事内容を厳格に規定すると共に、見合った資格・能力を求め、その仕事内容に応じて俸給を定める制度で、アメリカ的なシステムである。
この職階制は年功序列的な日本の官僚制度に全く馴染まなかったので、大蔵省が交渉窓口となり、「職階制はすべて給与法の中で完結する」説明し、時間切れでGHQによる公務員制度改革を未完に終わられた。
給与法は「等級」と「号俸」を定めた法律で、公務員の仕事内容までは触れておらず、どのような能力がある人が「〇等級〇号俸」なのか決まっていない。
GHQの公務員制度改革で達成されたのは、戦前の「文官高等試験」が「国家公務員採用Ⅰ種試験」に名称変更しただけだった。
大森彌・東京大学名誉教授は、「職階制実施の拒否こそ、戦後改革を生き延びた官のシステムの本質が潜んでいる」と述べている。

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