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2018年7月26日木曜日

国富論というと、「神の見えざる手」という言葉ばかりが独り歩きする。
この「神の見えざる手」という言葉は、「経済活動は全て自由にすれば、自然に調和が保てる」という意味で使用されがちであり、近年の強欲的な資本主義を肯定する言葉として使われている。
しかし、「神の見えざる手」という文言は、国富論の中の一部に出てくるだけで、国を豊かにする基本原則としては、「生産性の向上」と「適切な配分」が必要であり、その手段の一つして「自由な経済活動」を挙げているに過ぎない。
国富論では、経営者が労働者に払わねはならない賃金基準についても言及している。
また、それぞれの階層の人が公平だと感じる「適切な交換」とは何かを具体的に追究し、しかも、それは人として当然のモラルを守るということが前提とされている。

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