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2017年2月23日木曜日

右翼、左翼ということが現代的な意味合いを持ってきたのは、フランス革命からである。
フランス革命の国民議会で議長席から見て右側に座っていた人々が右翼、左側に座っていた人が左翼と言われた。
左側にいる人達は理性を重視する。
理性というのは人類が共通して持っているわけだから、完全情報をみんなで共有して、偏見のないフラットな態度で議論をすれば結論は一つになるはずだと考える人達である。
そうなると、公式や法則に当てはめれば、答えを導きだせるというような、物理や科学に近い形で物事を考えていくことになる。
これに対して、右翼はこうした左翼の考えに対抗する形で後から生まれて来た。だから左翼に対する「反動」として出て来たので、
反動と呼ばれるようになる。
だから右翼とは理性に対して不信を持つ人々のことになる。
つまり、人間は理性よりも偏見のほうが大きい生き物で、いくら理性的に議論をしていると思っても、その背景には伝統的な価値観を含めた偏見や個人の利害・関心があるから、とてもフラットな議論は成立しないし。同じデータを見てもそれが人によってたがうように見える。だから結局のところ真理は一つに定まらないという立場になる。
ただ、この定義を適用すると、現在の右派とか保守派の人達は、殆どが左翼に定義されることになる。
なぜなら「唯一の正しい歴史」であるとか、憲法を改正せよとか、強い国家を構築しよう、といったことは非常に左翼的な発想である。
東西冷戦構造が崩れた現在、右翼と左翼の定義がよく分からなくなっている。
日本の感覚だと共産党は左翼と言われるが、今のロシアでは共産党が一番の右翼であり、共産党の方針を維持していくことが保守的と呼ばれる逆転状態が起きている。
中国でも左翼と言われる人達が強硬派だったり、保守派だったりする。

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