『岩波講座世界歴史』には新版と旧版がある。
1969年から1971年に出た旧版の巻構成と、約30年後に出た新版の巻構成を見比べると興味深い。
1969年から1971年に出た旧版の巻構成と、約30年後に出た新版の巻構成を見比べると興味深い。
旧版の方は、古代、中世、近代、現代と歴史とは時系列に即して発展しているという考え方に基づいている。
ただ、近代に入るまで、つまり中世までは西洋史とアジア史に分かれていて、世界史は成立していない。
世界史というのは、近代以降、ヨーロッパ列強が北米大陸、アジアに進出していき、世界的なシステムができるという考え方であり、この構成に隙間がない。
ただ、近代に入るまで、つまり中世までは西洋史とアジア史に分かれていて、世界史は成立していない。
世界史というのは、近代以降、ヨーロッパ列強が北米大陸、アジアに進出していき、世界的なシステムができるという考え方であり、この構成に隙間がない。
一方、約30年後にできた新版は、まず明白に通史と言う考え方が否定されている。
「ヨーロッパの成長 11~15世紀」と「イスラム世界の発展 7~16世紀」「中央ユーラシアの統合 9~16世」と同じ時代が別々の巻に記述されている。
そして古代という考え方もなければ、中世、近代、現代という時代区分も取らていない。
時代区分自体が、欧州・北米を中心した彼らの時代区分であり、それ自体が支配の論理だと考えるからてある。
しかし、新版だと全体を通じた歴史観は欠落してしまうという問題が出てくる。
「ヨーロッパの成長 11~15世紀」と「イスラム世界の発展 7~16世紀」「中央ユーラシアの統合 9~16世」と同じ時代が別々の巻に記述されている。
そして古代という考え方もなければ、中世、近代、現代という時代区分も取らていない。
時代区分自体が、欧州・北米を中心した彼らの時代区分であり、それ自体が支配の論理だと考えるからてある。
しかし、新版だと全体を通じた歴史観は欠落してしまうという問題が出てくる。
古本市場では一般的に新版の方が圧倒的に高くなり、旧版は値段がつかなくなるが、この『岩波講座世界歴史』においては、旧版の方がレア本となっていて新版よりも高い値段がついている。
これはポストモダン的なるものの限界が来ていることの表れであり、物語が必要になてくることの表れでもある。
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