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2016年9月18日日曜日

細菌戦に使う生物兵器を研究開発していた関東軍の731部隊は、正式名称を「関東軍防疫水部本部」といい、別名、加茂部隊、石井部隊とも呼ばれ、満州を活動拠点にしていた。
その731部隊に関する記録が2014年4月になって、中国吉林省の人民出版社から出た。もともと2001年に『「七三一部隊」罪行鉄証』として出していたものの復刻版という。
吉林省の公文書館には、いわゆる「南京大虐殺」に関するものなど、旧日本軍に関する資料が多く残っていて、731部隊に関する資料もその一部だということである。
この新しく出た731部隊の本は、関東軍の憲兵隊の記録だという。
731部隊は開発したペスト菌やこれら金の効果を試すのに、主にスパイ容疑で捕まえたソ連や中国、朝鮮の人々を人体実験に使っていた。
彼らを捕らえてハルビンに集め、そこからハルビン郊外の731部隊の研究所まで移送したのが関東軍の憲兵隊だった。
憲兵隊は被験者を「マルタ(丸太)」という隠語で呼び、国籍、原籍、出生地、本名、工作名などの記録を付けていた。
そして、ハルビンから731部隊に送ることを「特別移送」、略して「特移送」と呼んでいた。
吉林省人民出版社から出されたのは、この「特移送」の記録に基づくものだという。
最初の出版から10年以上も経って、なぜ2014年に再びこの記録を公にしたのか、中国に何か秘められた意図があると思われる。

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