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2016年9月4日日曜日

天台宗の座主であり、当時の摂政・関白である九条兼実の弟だった慈円の『愚管抄』というのは、鎌倉時代に書かれた歴史書である。
その中で慈円は、「王朝は百代で滅び新しい王が生まれる」という百王説を唱えている。
この百王説は、いわは中国流のグローバルスタンダードの考え方であり、慈円の時代は天皇84代目だから、あと16代で100代になると日本も王朝交代があると、慈円はこれを日本にも適用した。
この慈円の説を一蹴したのが、北畠親房の『神皇正統記』であり、大日本(おおやまと)は神の国だから、百王説は適用できないということを切々と説く。
つまり慈円のドクトリンを排除することが、南朝イデオロギーを作るうえの核になると北畠親房は考えたのである。

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