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2016年9月4日日曜日

近代的な物の考え方は、基本的に「唯名論」でできているが、例外的にイギリスでは近代以降もずっと「実念論」が影響を持っているため、イギリスには成文憲法が存在しない。
しかし、イギリスでは憲法は「目には見えないけれども確実に存在する」ものなのである。
文書が必要となるのは、具体的な状況で何かトラブルが生じた時や、イギリスという国家を作っている原理が何なのか分からなくなった時、あるいは国家で大きな議論が出た時だけで、それが1215年の「マグナ・カルタ」であり、1689年の「権利章典」だったわけである。そして判例が非常に重要になる。
成文憲法は、イスラエルにも存在しない。
イスラエルの原理は、アメリカのように色々な人々が集まったきた契約でできた国ではなく、根本の所に神様との契約があって、それは絶対に動かすことができないからであり、だから成分憲法は必要がないのである。
ただし「帰還法」という法律はあり、そこではイスラエルの国籍を取得できるのは、ユダヤ人の子・孫、ユダヤ人と結婚した者、ユダヤ人への改宗者と定められている。
この法律が、イスラエル国家を成り立たせる基本になっている。
逆に言えば、アメリカで合衆国憲法や州憲法があるのは、枠組みを言語化して、誰でもはっきり分かる形にしておく必要があるという事なのである。

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