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2016年9月4日日曜日

2015年4月17日に、自民党の情報通信戦略調査会が、NHKとテレビ朝日の報道番組で、「やらせ」や政治的圧力があったとされる問題に関して、両社の経営幹部を呼び出し事情聴取を行った。
これが欧米の民主主義国で起こったら、大変な騒動になったはずである。
放送局の放送内容に関して、政権与党が事情聴取のために放送局の幹部を呼び出すとは、言論の自由・表現の自由に対する権力のあからさまな介入であるとして、政権基盤を揺るがしかねない事件になるはずである。
放送法は、実は権力の介入を防ぐための法律である。
放送法の目的は第1条に書かれ、第2項では「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」と定められており、表現の自由を確保するための法律となっている。
放送局が自らを律することで、権力の介入を防ぐ仕組みになっている。
この点に関して、さらに第3条で明文化されており、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と定められている。
戦前の日本放送協会が権力の宣伝機関になっていたことへの反省を踏まえ、放送局が権力から独立したものになるような仕掛けにしたのが放送法である。
自民党には「法律に定める権限」は無いので、放送局に対して干渉することはできない。
つまり、自民党の放送局への事情聴取こそが、放送法違反になりかねない行為なのである。

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