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2016年9月4日日曜日

「隠し念仏」の二重構造は、実は九州にもみられ、「隠れ念仏」の一派とされている「カヤカベ教」というのがある。
彼らはかつて表向きは新道の信者として「神道霧島講けと称していたりもした。
だからカヤカベ教の家には神棚があるが、その神棚の奥に隠し仏壇がある。
カヤカベ教には、宗教的なタブーが沢山あり、鶏や牛を食べないとか、「精進日」とされている日には牛乳やマヨネーズなど、生臭いものは一切食べないという。
鹿児島県の牧薗町(現霧島市)にある小学校で、給食の時に一部の生徒が牛乳を飲まないということが、カヤカベ教の調査のきっかけとなったという。
タブーの中で、特にに鶏肉を食べないというのが、カヤカベ教徒の特徴で、その理由は天照大神が高千穂に天下りをしようとした時に、下界が霧なのか島なのかを知るために、鶏を下して確かめたという説話によるという。
つまり鶏は神の使いだから食べないというのである。
だから神道を装っていると言いながら、独特な神仏習合の傾向もあり、異端中の異端と言える。
カヤカベ教は、一切文書は残さず、全て口伝で語り伝え、2時間、3時間に及ぶ口伝をみんなが全て覚えて、それを言い伝えてきた。
しかし、近年は子孫が後を継ごうとせず、口伝を覚えようとしないので、カヤカベ教は今や絶滅しようとしている。

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